緑内障

正面を向いてまっすぐ前方を見つめたときに、片方の目の上下左右の
見える範囲を視野といいますが、緑内障になると視野が狭くなったり（
視野狭窄）、部分的に見えない部分ができたり（視野欠損）する視野障
害が起こります。
初期の段階では中心部から離れた部位に、しかも見えない部分はごく
小さい範囲なので、自覚症状はほとんどありません。
一般に鼻側の上のあたりから視野が狭くなっていき、緑内障が進行す
ると、中心部分に見えない範囲が広がっていきます。
視野障害は視神経が障害されることにより起こります。

岐阜県多治見市で実施された「日本緑内障学会多治見緑内障疫学調
査」の結果、そんな驚くべき実態が明らかになりました。
また、正常眼圧緑内障は眼圧が正常範囲より高い原発開放隅角緑内障
に比べ約10倍多いことがわかっています。

眼圧の正常範囲とは、視神経が圧迫され、障害を起こすことがないと
考えられる眼圧の範囲で、10〜21mmHgとされています。
しかし、この眼圧の正常範囲は統計から導き出された1つの目安であ
り、視神経がどのくらいの眼圧に耐えられるかは個人差が大きいので
す。
眼圧がとても高くても視神経が障害されない高眼圧症の人もいれば、
眼圧は正常なのに視神経が障害を受けてしまう正常眼圧緑内障の人
もいるのは、この個人差のためなのです。

エビデンスが確立された眼圧下降療法が適切に行われている405眼
の東北大学通院患者で約50％症例にて
『−0.5db／年の緩徐な視野障害の進行が認められた』
眼圧コントロール良好『適切な治療法でも50％は悪化していた』
緑内障の失明防止のために眼圧非依存因子を同定し、
眼圧下降以外の新しい治療法の発見と確立が急務であることが
示された。

視神経乳頭陥凹増大　軸索障害
緑内障の発生や進行と視神経乳頭微小循環が密接に関係

PPGの段階から微小循環障害が発生
眼循環を考慮した緑内障治療の必要性